時間が経つにつれ、今回の災害での被害状況の深刻さが目に見えてきました。重ねて被災された方に心からお見舞いを申し上げます。
今回は、災害にまつわる税金の扱いについて、国税庁から公表された内容を説明します。
事業用の固定資産が被災して、被災前の状態に直すための費用は修繕費となります。
被災資産の被災前の状態を維持するための補強工事、土砂崩れ防止等のための費用は、修繕費とする経理をした場合には、その処理が認められます。
被災資産についての支出で、固定資産として計上するものか修繕費として費用で計上するのかが明らかでない場合は、その支出の30%相当額を修繕費とし、残りの額を固定資産として計上することができます。
事業者が被災した従業員又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として事業者の経費となります。
また、自己の従業員と同等の専属下請先の従業員又は親族等についても上記と同じ扱いとなります。
法人が、被災前の取引関係を維持・回復するために取引先に対して行った災害見舞金の支出や事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費に該当しないものとして損金の額に全額算入されます。
法人が、被災した取引先の復旧支援を目的として売掛金や貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金又は交際費等に当たらない費用として全額法人の損金の額に算入されます。
また、法人が既に契約しているリース料や貸付金利息、割賦代金の減免を行うといった、取引条件を変更する場合も同様に扱われます。
法人が、被災した取引先の復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合でも、通常受け取る利息相当額との差額を寄附金として扱いません。
法人が被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当せず、広告宣伝費に準じるものとして全額損金の額に算入されます。
個人が支払を受ける災害見舞金は、その額がその者の社会的地位、支払者との関係等に照らして、社会通念上相当と認められるものについては、課税の対象となりません。
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