令和8年2月2日から、「所有不動産記録証明制度」が始まりました。これは例えば、亡くなった親(被相続人)から不動産を相続した子(相続人)が、登記簿上、親が所有者となっている不動産を一覧的にリスト化した証明書を簡単に入手することができ、相続人が不動産を把握しやすくなります。
従来の不動産登記法では、登記記録は土地や建物ごとに作成されており、全国の不動産から特定の者が所有権の登記名義人となっているものを網羅的に抽出し、その結果を公開する仕組みがありませんでした。
結果、所有権の登記名義人が死亡した場合に、その所有する不動産としてどのようなものがあるかについて相続人が把握しきれず、見逃された土地について相続登記がされないまま放置されてしまう事態が生じていました。
この問題解決のため、令和3年に法律が改正され、相続登記を義務化することとなりました。
相続により、不動産の所有権を取得した相続人は相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権移転の登記申請をしなければなりません。
正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が適用されます。
この相続登記の義務化の施行日は令和6年4月1日ですが、同日前に相続した不動産も相続登記がされていないものは義務化の対象となり、令和9年3月31日まで(原則、施行日から3年間)に 相続登記をする必要があるため留意が必要です。
相続登記の義務化に伴い、相続人において被相続人名義の不動産を把握しやすくすることで、相続登記の申請に当たっての当事者の手続的負担を軽減するとともに登記漏れを防止する観点から、登記官において、特定の被相続人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度が創設されました。
従来、被相続人の不動産が複数の市区町村にわたる場合、市区町村別に管理されている名寄帳などを確認する必要がありましたが、本制度を利用することで全国の不動産を一覧で把握することが可能となり、相続税の適正な申告につながることが期待されています。
証明書の請求ができる者は不動産の所有者(所有権の登記名義人)本人、その相続人及びこれらの代理人となります。請求に当たっては氏名や住所が必要ですが、婚姻等により名前の変更があった場合や住所が変わっていた場合などは検索により抽出されないため、留意が必要です。
令和8年4月1日からは、住所や氏名等の変更日から2年以内にその変更登記の申請をすることが義務付けられます。義務化前に変更した場合も、令和10年3月31日までに登記をする必要があります。
登記手続きについては弊所法務部門、相続税申告については弊所税務部門で代行が可能ですので、ぜひお問い合わせください。
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