週刊節税教室

仕事場に託児所を設ける(法人税・所得税)

法人税・所得税
第153号 2004/10/4

☆質問

『女性雑誌の出版社を経営しています』

『従業員も役員もすべて女性です。最近結婚してからも仕事を続けた

いと言う人が多くなりました。』

『子供ができても続けたいと言う人がかなりいます』

『しかし、出版社という仕事柄、夜遅くまで仕事が続きますので、町の

託児所では時間の制限があって、子供を預けるにも預けられないよう

です』

『そこで、仕事場に託児所を作ろうかと思っています』

★回答

なるほど、働く女性にとっては大変ありがたいことでしょうね。

仕事場に託児所があれば、休み時間に子供に会うこともできるし、

母乳を飲ませることも可能かもしれません。

また、子供に急な健康上の変化があった場合にも近くにいるだけで

安心ですね。

☆質問

『しかし、思ったより費用がかかります』

『子供を見てくれる保母さん1人当たり約20万円かかります』

『保母さん1人というわけにいきませんから、保母さんの人数掛ける

20万円の費用がかかるわけです』

★回答

ずいぶんかかるんですね。

かなりの負担ですね。

☆質問

『これらの託児所にかかる費用をすべて会社で負担しても問題あり

ませんか?』

★回答

会社で負担するには、いくつかの要件があります。

まず、この託児所は役員だけ利用できるということではなくて、すべて

の役員と従業員が利用できるようにお考えですか?

☆質問

『はい、もちろんそのつもりです』

★回答

そうですか。

計画では、託児所を利用する従業員や役員1人当たり、月額いくらくら

いの費用がかかることを予定していますか?

☆質問

『保母さん2人で10人の利用者を想定していますので、1人当たり月額

4万円くらいの費用負担になると思います』

★回答

従事者全員が対象で、1人当たり月額4万円程度の負担で、かつ出版

社という仕事上の必要性を考慮すると、託児所の費用を全額会社が負

担しても税務上問題ないと思います。

☆質問

『そうですか。利用者に給与課税しなくてもよいということですね?』

★回答

そういうことです。

託児所の費用は全額会社の経費となり、利用者には給与として課税

されなければ、節税になるかもしれません。

それと、託児所の費用以上に女性従業員に働いてもらえれば、ペイで

きるわけです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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