税務調査官が飲食店のレジペーパーと売上伝票の照合を始めました。
本格的な調査の開始です。
●税務署
「レジは1日何回締めますか?」
レジを締めるとは、レジペーパーの売上合計とレジの中の現金を数えて合わせる手続を言います。
▲納税者
「はい、1日にお昼のあとと夜の閉店前の2回です」
●税務署
「レジはどなたが打ちますか?」
▲納税者
「従業員が打ちます」
ここで「私が打ちます」と言うと、税務署はまず疑ってかかるでしょう。
「納税者自らレジを打てばなんでもできる。売上代金をちょろまかしているに違いない・・・」と税務署は考えるでしょう。
従業員がレジを打っていれば、納税者が疑われる程度は当然低くなるでしょう。
●税務署
「売上伝票があって、レジペーパーにないものが数点ありますが、これはどのような理由ですか?」と売上伝票とレジペーパーの照合をしている調査官が聞いてきました。
▲納税者
「それは付けの分です」
「付け」とはその場で現金を払うのではなく、後日まとめてお客様が支払うことです。ですから、レジを打たなかったみたいです。
●税務署
「そうであれば、後日の入金の記録を見せてください」
「後日、売上として計上されているか見せてください」
▲納税者
ちょっと慌てふためいて元帳をひっくり返している。
「あ、ここで計上されています、どうぞご覧になってください」と元帳を調査官に示して説明しています。
●税務署
「分りました。ちゃんと計上されていますね」
■会計事務所
ここまでは、別に問題もなく立ち会っていても安心感がありました。
しかし、調査官の「おかしいな、2月15日の売上伝票に私が食べたもやしそばが載っていないな」のひとことで雰囲気が変わってきました。
To be continued.
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