外注費の元帳を見て、調査官の質問が続きます。
●税務署
「この外注先に仕事をまる投げしたということですが、仕事は決算日までに完了したのですか?」
「契約書によると、ソフトの引渡し予定日は決算日以後になっていますが?」
▲納税者
「え~と 確か決算日現在では完成引渡しはしていませんね・・・」
●税務署
「ということは、売上はもしかして翌期に計上されているのですか?」
▲納税者
「はい 今期に計上しています」
タハ~ これはダメだ・・・
典型的な期ズレです。
「期ズレ」とは、売上とそれに対応させなければならない仕入や外注費などの経費の計上が、期をまたいでズレていることを言います。
税務調査では、必ずチェックされるポイントです。
今回のケースは、外注費が先行計上され、売上が翌期に計上されているパターンです。
ソフトの製作を依頼した外注先に対して中間金等を支払った時に外注費で処理したのですが、決算日現在ではソフトの製作はまだ仕掛り中ですので、これでは正しい経理処理になりません。
翌期に計上される売上高と対応させるために外注費を仕掛品や前払金といった資産科目に振り替えて処理する必要があったのです。
また調査官にやられてしまいました。
●税務署
「売上は今期で、それに対応する外注費が前期に計上されていてはまずいですね」
▲納税者
「え、そうなんですか?」
「何でまずいんですか?」
●税務署
「前期に計上された外注費は、本来は今期に経費として計上される必要があります」
「つまり、前期の決算では外注費が過大計上されていたということです」
「税金がその分前期は少なかったということです」
▲納税者
「はぁ~そうなんですか・・・」
「知らなかった・・・」
「会計って難しいですね」
To be continued
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。