税務調査は続きます。
●税務署
「取引先はゼネコンですよね?」
▲納税者
「はい、ゼネコンが多いです」
●税務署
「ゼネコンと取引すると、いろいろお金が入用なのではないですか?」
▲納税者
「お金ですか・・・」
「うちの会社はいつもお金がないんです・・・」
「銀行もこの頃なかなか融資をしてくれないし・・・」
●税務署
「ん~ そうではなくて~」
「ゼネコンからお金を要求されたりすることもありますよね?」
▲納税者
「あ~そういうことですか?」
「そういうことは私には分かりません・・・」
「社長でないと・・・」
■会計事務所
調査官は、建設業界でよくある発注側の金銭の要求がないかということを聞いています。
ゼネコンと取引をすると、そういったお金を要求されるということはよく聞きます。
「そんなお金を会社で支払っているようなことはないと思いますよ」
「会社にそんな余裕もないし・・・」
▲納税者
「そうです」
「そんなお金があったら、私の給料を上げてもらいたいです」
「もう5年間も昇給がないのですから・・・」
●税務署
「総勘定元帳に貼った付箋のところの取引の、請求書とその見積書、それとその支払の書類、つまり振込みの控えとか領収書を見せてください」
▲納税者
「はい」
付箋は総勘定元帳の外注費勘定に記載された取引に貼られていました。
調査官は、ゼネコンへ資金提供するための裏金を架空の外注費でも計上して捻出しているとでも疑っているのでしょう。
調査官は、丹念に提出された書類をチェックしています。
●税務署
「この外注先への支払は、現金ですか、小切手ですか?」
▲納税者
「えっ どれですか?」
「あぁ これは現金で支払いました」
●税務署
「なんでこの外注先だけ現金で支払ったのですか?」
▲納税者
「え~ 私には分かりません」
●税務署
「分からないって、あなたが現金をその外注先に手渡ししたのではないのですか?」
▲納税者
「いえ 私は渡していません・・・」
●税務署
「では、誰が外注先に現金を渡したのですか?」
▲納税者
「社長だと思います」
「その分の現金を私が社長に渡しましたから・・・」
To be continued
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