代表者の奥さんに退職金を2千万円も出して、法人の損金として計上している会社に調査が入ります。
役員ならともかく、従業員の立場で高額な退職金を出すと、その算定根拠や、他の従業員との比較が問題となるでしょう。
本来であれば、このような無理な処理をしないように指導をしなければなりませんが、今回は事前の相談が無かったようです。
調査当日です。
●税務署
「宜しくお願いします」
調査官は、女性の上席調査官とその部下の若い男性の調査官です。
上席調査官は、40歳くらいで相当経験を積んでいる感じの方です。
■会計事務所
「お手柔らかにお願いします」
まずは、会社の概況を代表者に聴取しています。
取引先や取引条件などを細かく聞いています。
上席調査官が聞いて、若い調査官が一生懸命にメモを取っています。
●税務署
「では、早速ですが元帳を見せていただけますか?」
▲納税者
「はい、これです」
●税務署
調査官が元帳をパラパラとめくって、その手が止まりました。
「はは~退職金は奥様に出されているのですね?」
早速来ました。
▲納税者
「はい、そうです」
●税務署
「奥様は、会社を辞められたのですか」
▲納税者
「いいえ、役員になったのです」
●税務署
「役員になったから、退職金を出されたのですか?」
▲納税者
「そうです」
●税務署
「従業員部分の退職金を出したということですか?」
▲納税者
「そうです?」
「何か問題ありますか?」
●税務署
「いや、決算書に退職金とあったのですが、どなたに出したのかが分からなかったもので・・・」
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