週刊税務調査日記

どうしても納得がいかない調査 (10)

第328号 2008/12/9

その後、会計事務所にも納税者にも連絡はまったくありませんでした。

そして、7月10日の税務職員の異動日も過ぎました。

あのしつこい調査官も異動になると言っていたので、どこか違う税務署に行ったのでしょう。

7月25日に税務署から電話がありました。

新たに異動してきた調査官からです。

●税務署

「もしもし、○○税務署○部門の××ですが」

「先生の顧問先で繰戻還付の手続をした会社の件でご連絡差し上げました」

■会計事務所

「はい何でしょう?」

●税務署

「調査の資料を見たのですが、今回の件に関しましては誠に申し訳ございませんでした」

「統括官も前任の者がした一連の対応に関しては驚いている次第です」

「本当に申し訳ございませんでした」

■会計事務所

「そう思いますよね?」

「理屈も何もあったものではないですよ、本当に!」

「欠損が出て欠損金の繰戻還付の請求をしたら、役員報酬が過大だから修正申告をしろなんて、無茶苦茶です」

●税務署

「いや~確かに」

「本当に申し訳ございませんでした」

「納税者に対してもお詫びの連絡を入れておきます」

■会計事務所

「そうしてください」

その後しばらくして税金の還付通知が納税者に届きました。

2009年度の税制改正では、今回で問題となった欠損金の繰戻還付が中小企業に広く適用される予定です。

せっかくある制度を適法に利用したにもかかわらず、還付金額が大きいといった理由で、屁理屈を付けて納税者を痛めつけるのはどうかと思います。

単に我々が納税した税金を適法に戻してもらうだけなのですから・・・・

おわり

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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