事務所も職員が増え、税務調査の立会いも職員にやらせることが多くなりました。
税務調査の立会いは会計事務所員にとっては勉強になるのです。
税務署がどのような事を考えているのか?税務実務で押さえるべきポイントはどこか?などが分かり、日々の税務実務を行うにあたって非常に有益な経験になります。
ですから、所長が立ち会うより、職員に立会いをさせることが多くなったわけです。
今回は、税務調査の立会いが初めての女性職員です。
調査の初日に2人で納税者の会社に向かいます。
■会計事務所
「おはようございます」
「事務所の三原と申します」と職員を紹介します。
▲納税者
「税務署に指摘されるようなことはないと思いますが、よろしくお願いします」
■会計事務所
「私は、はじめだけ彼女と一緒に立ち会って、後は彼女に立会いは任せますから」
▲納税者
「分かりました」
と言っているところに、調査官の登場です。
●税務署
「○○と申します。よろしくお願いします。」
見たところ、50歳チョッとでしょうか。
はじめはいつものとおり世間話です。そして会社の概要の聞き取りです。
そこで、所長は三原に後を任せて会社を後にしました。
こうして所長がいなくなった途端に異変が起きました。
どんな異変かというと、調査官に異変が起きたのです。
所長がいたときは、背筋をまっすぐ伸ばして椅子に座っていましたが、所長がいなくなった途端に、足を組んで肘を椅子の肘掛に偉そうに置き、背中をドカッと背もたれに押し付けて、重役座りになってしまいました。
また、今まで丁寧な言葉でしゃべっていたのが、所長がいなくなったら、口調も変わってきたのです。
調査の立会いをするのが、若い女性職員だけになったことから、このような態度の変化があったのでしょうか?
人を見て態度を変えるなんて、いけないことです。
●税務署
「社長は、あれ、どこの出身?」
社長とタメ言葉でしゃべっています。びっくりです。
▲納税者
「広島です」
今回の納税者は税務調査を受けるのは、これが初めてです。
ですから、調査官からこのような言い方をされても、おかしいとは感じないのでしょう。
●税務署
「へ~ 広島なんだ」
「じゃ、カープファンかな?」
▲納税者
「ええ」
●税務署
「実は私もカープファン」
と言った具合のしゃべり方です。
調査官は、雑談の中から会計事務所員も税務調査の立ち会いはじめて、納税者も税務調査はじめて、ということを感じ取ったのでしょう。
それで、こういう言葉使いや、態度をとっているのでしょうか。
To be continued
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