週刊節税教室

生計を一にする No.2

所得税
第24号 2002/3/11

☆質問

  『前回は「生計を一にする」ことのメリットを聞きましたが、デメリットはある

  のでしょうか?』

★回答

  はい、生計を一にすることによるデメリットがあります。

  最近の判例で以下のような事案がありました。

  夫が弁護士で、税理士である妻に税務の仕事を依頼し、その対価として

  妻に報酬を支払ったのですが、夫の弁護士業務の必要経費として認め

  られませんでした。

☆質問

  『なぜ、妻である税理士に仕事をやってもらって、その対価としての正当

   な報酬が必要経費としてみとめられないのですか?』

★回答

  税法で、「生計を一にする親族に対し支払った金額は、それが対価性の

  あるものであっても、必要経費に算入することはできない」と定めている

  ためです。

  これは、身内に報酬を支払うことを無制限に認めると、租税回避行為に

  利用されるために設けた規定のようです。

☆質問

  『確かに、自分の身内どうしでは金額も自由に決められますから、言って

   いることは分ります』

★回答 

  他に、妻の建物を借りて商売をしている夫が、妻に家賃を支払った場合

  にも、その家賃は夫の必要経費となりません。

☆質問

  『なるほど、生計を一にしているとこんなデメリットもあるのですね。

   では、今の2つのケースで妻への支払が経費となる節税の方法はない

   でしょうか?』

★回答

  あります。

  夫の事業を法人にすることです。

  法人にすれば税理士である妻への報酬や、家主である妻への家賃は全

  て法人の経費になります。

  弁護士も弁護士法人を作れるようになりました。

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公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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