週刊節税教室

事務所の保証金(2)

法人税
第27号 2002/4/1

☆質問

  『前回の事務所の保証金の件を友人に話したところ、次のような記載が賃

  貸借契約書にあるとのことでした』

  「保証金500万円、償却は1年内退去30%、2年内退去20%、2年を超えた退

  去10%」

★回答

  前回とは違うパターンですね。

  この場合は、最小限返済されない金額、つまり保証金500万円の10%が5

  年間で経費とされます。

  毎年500万円の10%である50万円の5分の1、毎年10万円が経費となりま

  す。

☆質問

  『では、契約の更新期間が3年で更新の都度保証金300万円の10%である

   30万円を支払うといった場合はどのようになりますか?』

★回答

  この場合は、契約した年から30万円を3年間にわたって10万円ずつ経費とし

  て計上することになります。   

☆質問

  『なんか複雑で面倒ですね。5年間や3年間分割でなく、一度に経費に落とせ

   ないものでしょうか?』

★回答 

  少額のものまで、分割して経費計上することは要求されてません。

  20万円未満のときは契約したその年に一度に経費として落とせます。

  保証金が100万円で退去時に15%償却する契約の場合には、15万円を契

  約した年に一度に経費処理できます。

☆質問

  『事務所を借りるだけなのに、税金の仕組みを知らないと本当に損しますね?』

★回答

  そのとおりです。

  新たに事務所を借りたら、賃貸借契約書を顧問の会計事務所にFAXして、

  最も節税になる処理を依頼しましょう。

  保証金の償却額は消費税の仕入税額控除の対象にもなりますのでお忘れなく。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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