週刊節税教室

贈与税率が下がって

相続税・贈与税
第108号 2003/11/3

☆質問

『今年から贈与税率が下がったと聞いたのですが?』

★回答

新しくできた相続時精算課税制度の話題にさらわれて、贈与税率が下がった

ことがあまり知られていません。

平成15年1月1日以後の贈与から新しい贈与税率が適用されます。

☆質問

『どのくらい税率が下がったのですか?』

★回答

改正前は税率が10%~70%の13段階に分かれていました。

それが、10%~50%の6段階になったのです。

☆質問

「具体例で説明してください?」

★回答

500万円を贈与した場合、改正前の税率では695,000円の贈与税が課税され

ましたが、改正後では530,000円の贈与税が課税されます。

差引165,000円も贈与税が安くなったのです。

☆質問

『安くなったといっても、まだ高いですよね。』

★回答

そうですね。

でも、贈与税530,000円を贈与額5,000,000円で割った実質税率は10.6%で

す。

☆質問

『なるほど、実質税率で考えると低率ですね。』

★回答

ですから、かなりの財産があって相続時には相続税の税率が30%~50%の

高率で課税されることが分かっている方は、早いうちから子供や配偶者に低率

の贈与税率で贈与していくのが得策かもしれません。

ただし、相続開始(被相続人死亡)より3年以内における被相続人(親)から、

相続人(子)への贈与は、相続時精算課税制度と同様に、その贈与した財産

が相続財産に取り込まれてしまいますので注意が必要です。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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