週刊節税教室

不動産管理会社(1)

法人税、所得税、相続税
第139号 2004/6/21

☆質問

『私は給与所得のほかに相続で引き継いだアパートの収入がかなりあり

ます』

『不動産管理会社を作れば節税になると聞いたのですが、不動産管理会

社って何ですか?』

★回答

ここで言う不動産管理会社とは、アパートなどを経営している個人が、自

分で不動産管理会社を設立して、自分のアパートなどの管理をする法人

のことを言います。

☆質問

『自分のアパートなどを自分で作った会社に管理させるのですか?』

『それで、どうして節税になるのですか?』

★回答

不動産管理会社を作って自分のアパートの管理をさせることにより、個人

は管理会社に管理手数料を支払います。

この管理手数料は個人のアパート経営による不動産所得の必要経費と

なります。

一方、管理会社が受け取った管理手数料は管理会社の売上となります。

売上のまま何もしないと管理会社の利益となり、税金がかかってきてしま

います。

そこで、管理会社の役員としている配偶者やその他身内に役員報酬を支

払います。

当然、役員報酬の支払を受ける身内の方はアパートの管理業務に従事し

ていることが必要です。

このようにすると、今までアパートを所有していた個人だけに帰属していた

不動産所得を、管理手数料を管理会社に支払うことにより、役員報酬とい

う給与所得という形で他の身内の人に分散することができるのです。

☆質問

『なるほど、自分だけの不動産所得を管理手数料を支払うことにより、身内

の者に給与所得として転嫁することができるということですね?』

★回答

そのとおりです。

また、身内が受ける給与所得には、給与所得控除という国が認めた経費が

あり、これを引くことができますのでさらにお得ということになります。

☆質問

『具体的な数字で説明してもらえませんか?』

★回答

分かりました。

お父さん所有のアパートの不動産所得が年間1千万円とします。

この1千万円に対する所得税と住民税は307万円です。

お父さんは不動産管理会社を設立して管理会社に年間150万円の管理手

数料を支払います。

管理会社の役員である妻と娘は管理手数料収入150万円から、妻が80万

円、娘が70万円の役員報酬を得ます。

すると、お父さんの不動産所得は(1千万円-150万円)の850万円となり、

所得税と住民税で247万5千円です。

妻と娘の役員報酬には、給与所得控除と基礎控除により所得税と住民税は

かかりません。

すると、お父さんの税金は管理手数料支払前の税金307万円と支払後の税

金247万5千円との差額である59万5千円節税になったことになります。

☆質問

『なるほど、よく分かりました。』

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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