週刊節税教室

人材投資促進税制の内容(1)

法人税、所得税
第176号 2005/3/28

☆質問

『今年の4月1日から始まる人材投資促進税制に興味があります』

『教育訓練費を使うと税金が安くなるということですが、教育訓

練費について具体的に教えてください』

★回答

人材投資促進税制は、教育訓練費を前2事業年度の平均額より多く

使った場合、その増加額の25%に相当する額を税額控除するとい

う制度です(詳しくは第171号参照してください)。

そこで当然、教育訓練費の内容が問題となります。

経済産業省から資料が発表されましたので、より具体的な内容が

分かってきました。

☆質問

『そうですか』

『ではまず、どのような教育訓練費が税額控除の対象となるのか

教えてください』

★回答

以下の5つの項目があげられています。

●外部講師謝金

 社外講師・指導員に支払う講師料・指導料

●外部施設等使用料

 研修を行うために使用する外部施設・設備等の借上料、利用料

●研修委託費

 講師、教材等を含めた研修の一部又は全部を外部教育機関等へ

 委託する場合の費用

●外部研修参加費

 社員を外部の研修プログラムに参加させる場合の受講料等

●教科書その他の教材費

 研修用の教材・プログラムの購入料等

☆質問

『外部講師謝金について、もう少し具体的に教えてください』

★回答

外部講師謝金は、法人が自ら研修を行う場合に、会社の外部から

講師や指導員を招聘して、講義・指導等の教育訓練を行う場合の

費用です。

☆質問

『その場合の講師は、自社の役員や使用人ではダメなのですか?』

★回答

自社の役員や使用人に社内研修の先生をやってもらって、報酬を

支払っても、この制度の教育訓練費には当たりません。

しかし、子会社やグループ会社の役員や使用人が講師となって報

酬を支払った場合には、教育訓練費に該当します。

☆質問

『なるほど』

『外部講師に支払う謝金のほかに、外部講師の交通費や旅費も税

額控除の対象になるのですか?』

★回答

なります。

旅費には、外部講師の宿泊費や食費なども含みます。

☆質問

『次に、外部施設等使用料の内容は?』

★回答

外部施設等使用料は、法人が自ら研修を行うために、法人以外の

者が所有する施設、設備などを使用する場合の使用料です。

☆質問

『施設、設備の具体例としては、どのようなものがありますか?』

★回答

以下のようなものです。

◎施設

 研修施設、会議室、実習室等

◎設備

 教育訓練用シュミレーター設備等

◎器具・備品

 OHP、プロジェクター、ホワイトボード、パソコン等

◎イーラーニングにおける教育訓練用コンテンツの使用料 など

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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