週刊節税教室

アパート経営は共有がお得!

所得税
第213号 2006/1/9

読者の皆様、明けましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い申し上げます。

☆質問

「自分の土地にアパートを建築しようと思っています」

「アパートを自分だけで建てるか、妻と共有にして建てるか悩んでいます」

「税金上はどちらが有利ですか?」

★回答

「まず、奥様と共有で建てる場合には、奥様も資金を出さなければなりま

せんが、その点は問題ないですか?」

☆質問

「アパート収入でローンの返済ができますので、共有にする場合には妻

と私でローンを組みます」

「ですから、問題はありません」

★回答

「なるほど」

「結論から申し上げますと、共有にされた方が税金は有利になります」

☆質問

「なぜですか?」

★回答

「アパート経営からの所得を、共有の場合には2人で分散できるからです」

「アパートからの所得が1,000万円とすると、1人で所有する場合は、この

1,000万円に税率が掛かってきてしまいます」

「社会保険料控除などの所得控除を無視すると、所得1,000万円だと所得

税と住民税の合計税率は43%となります」

「一方、夫婦で2分の1ずつアパートを共有すると、所得は各自半分の500

万円となり、税率は所得税・住民税合わせて30%となるのです」

☆質問

「なるほど、所得を分散するとトータルの税金が安くなるのですね」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「共有にすると他にも税金のメリットはありますか?」

★回答

「あります」

「65万円の青色申告特別控除を2人で受けられる可能性があります」

「建築するアパートは全部で何部屋ありますか?」

☆質問

「12部屋です」

★回答

「であれば、これからやろうとしているアパート経営は、事業的規模とみなされ

て青色申告特別控除の適用が可能となります」

☆質問

「2人で共有しても、事業的規模の要件である10部屋以上は、実際のアパー

トの部屋数でよいのですか?」

「2人で共有しているから1人12部屋ではなくて、6部屋とみなされないのです

か?」

★回答

「部屋数はあくまでも実際の部屋数によります」

「そして、アパートからの所得も合計1,000万円、2人で分けても500万円あれ

ば事業的規模といえるでしょう」

☆質問

「2人でアパートを共有にして、会計ソフトでもって複式簿記の要件を満たせば

各自65万円の青色申告特別控除を受けられるのですね?」

★回答

「そのとおりです」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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