週刊節税教室

事前確定届出給与の届出事項

法人税
第230号 2006/5/15

☆質問

「役員に対して、定期同額給与以外に支給する給与(賞与)を損金に算

入するには、役員の職務執行開始日と会計期間の開始日から3ヶ月と

のいずれか早い日までに、その内容を届出ることが必要になったのです

よね?」

★回答

「そうです」

「事前確定届出給与という制度です」

☆質問

「盆暮れの賞与を従業員と同じように損金として認めるけれども、事前に

金額などを届出よ、という制度ですが、ではどのような事項を届出るので

すか?」

★回答

「届出事項の内容が分かりましたので紹介します」

1.支給対象者の氏名、役職名

2.支給時期、支給時期ごとの支給金額

3.2を定めた日、定めた機関等(取締役会、株主総会等)

4.事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日

5.事前確定届出給与とした理由、2の支給時期にした理由

6.当会計期間における事前確定届出給与以外の定期同額給与の支給

  時期、支給金額

7.直前会計期間の給与の支給時期、支給金額

 ★上記1~7は、事前確定届出給与の支給対象者に対するものです。

8.当会計期間における他の役員の給与の支給時期、支給金額

☆質問

「へ~ かなりの内容ですね?」

「1~5については、ある程度想定の範囲内ですが、6~8は予想外の内

容ですね?」

★回答

「ん~ 確かに」

「6は、支給対象者の事前確定届出給与だけでなく、定期同額給与も事

前に報告しろというわけですから・・・」

「7では、前期の役員報酬の金額も要求されています」

☆質問

「そして、8では対象者以外の他の役員の給与まで事前に税務署に報告

することになるわけですよね?」

★回答

「そうですね」

「事前確定届出給与を支給すると、その会社の全役員の1年間の役員報

酬を、月ごとにすべて事前に届け出ることになってしまいます」

☆質問

「国が我々の給与を管理しているような感じで、不愉快ですね?」

★回答

「そのとおりです」

「全く余計なお世話です」

☆質問

「事前に盆暮れの賞与を1年分届出て、そのとおり支払わなければ損金

として認めれくれないのであれば、盆暮れの賞与を含んだ金額を毎月の

金額に含めて定期同額給与とした方が、事前の届出も必要でなく楽です

よね」

★回答

「そのとおりですね」

なお、アトラス総合事務所のホームページで、役員報酬の改正について

解説していますので、ご覧になってください。

            ↓

アトラスNEWS144号です。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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