週刊節税教室

夫婦で住宅ローンを組む

所得税・相続税・贈与税
第266号 2007/2/5

☆質問

「家族は妻と私の2人です」

「2人とも働いています」

「そろそろ賃貸から抜け出して、住宅を買おうと思いますが、住宅ローンを

どのように組んだらよいのか分かりません」

「教えてください」

★回答

「住宅ローン控除を考えるとお2人でローンを組むと有利です」

「なぜかと言えば、住宅ローン控除には納税者1人当たりの年間控除額

の上限が定められているからです」

☆質問

「その上限金額はいくらですか?」

★回答

「現行では、住宅ローン控除の適用を受けてから6年間は最高25万円の

控除が受けられます(7年目から10年目は12万5,000円が限度)」

「5,000万円の住宅ローンの場合、1人で借りても年間25万円の控除しか

受けられません」

「しかし、2人で2,500万円ずつローンを組めば、単純計算で2人で年間50

万円の控除が受けられます」

☆質問

「なるほど、すごく得ですね」

「妻は、子供ができても働くつもりですが、約1年間の育児休暇の期間は、

収入がなくなりますので、住宅ローン控除はできませんよね?」

★回答

「そうですね」

「住宅ローン控除は、あくまでも納税者に税額が発生しないと意味があり

ません」

「でも、育児休暇が終わって、復職すればまたローン控除の適用は受け

られます」

☆質問

「平成19年度の税制改正で、住宅ローン控除制度も改正されると聞いた

のですが、どのような改正なのですか?」

★回答

「平成19年に居住を開始した場合には、現行の控除期間10年に加えて

新たに控除期間15年の特例が創設され、いずれかの選択制となってい

ます」

☆質問

「控除期間15年の方が得なような気がしますが、そうではないのですか?」

★回答

「15年の方が年間の控除額が少なくなっていて、控除期間を通算すると10

年でも15年でも控除額は、200万円で同じです」

「平成20年に居住した場合も通算控除額は160万円で10年でも15年でも

同じです」

「住宅ローン控除を受けるなら、19年中に住宅を購入して居住を開始した方

が得です」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為