週刊節税教室

未払賞与と社会保険料

法人税・所得税
第289号 2007/7/30

☆質問

「決算で思いがけない利益が出そうなので、決算賞与を支給しようと

思います」

「確か、決算月の翌月までに支給すればよかったのですよね?」

★回答

「そのとおりです」

「他の要件を満たせば、決算書で未払賞与として損金計上すること

ができます」

☆質問

「そうでしたね」

「他に決算賞与と同様に未払金計上で節税になるものはありません

か?」

★回答

「社会保険料があります」

☆質問

「厚生年金と健康保険の?」

★回答

「そうです」

「社会保険料は前月分の保険料が当月末に支払われます」

「したがって、決算月の社会保険料は、翌月末に支払われますので、

何も経理処理をしなければ、決算月の社会保険料の内、会社負担

分は翌月の損金となってしまいます」

「しかし、社会保険料はその月の末日で支払義務が確定することか

ら、決算で決算月の社会保険料の会社負担分を未払計上して、会

社の損金とすることができるのです」

☆質問

「なるほど、そういうことですか」

「ところで、決算賞与にも社会保険料がかかりますが、この会社負

担分も決算で未払計上すれば会社の損金として計上できるのです

か?」

★回答

「なるほど」

「決算賞与にかかる社会保険料の未払計上ですね」

☆質問

「そうです」

「これができれば、更に節税ができますよね?」

★回答

「しかし、残念!」

「先ほど説明したように、社会保険料は対象月の末日で支払義務が

確定しますので、賞与を支払った月の末日でないと未払計上で損金

に算入することはできません」

☆質問

「そうですか」

「残念!」

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公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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