週刊節税教室

締め後売上で節税

法人税
第320号 2008/3/31

☆質問

「今日が3月決算の決算日ですが、私の会社も3月決算でこれからが

決算作業で大変です」

「私の会社は、卸売業をしていることから得意先がかなりの数ありま

す」

「得意先の締め日はほとんどが20日と15日なので、締め日から決算

日までの売上高の集計が大変です」

★回答

「たしかに卸売業ですと、得意先の数が多いから締め後の売上を拾

うのが大変ですね」

☆質問

「でも、締め後の売上を計上しないとダメなんですよね?」

★回答

「原則はそのとおりですね」

「正確な会計処理ではそのようになります」

☆質問

「例外もあるのですか?」

★回答

「法人税の扱いであります」

☆質問

「内容を教えてください」

★回答

「法人が決算日からおおむね10日以内の締め日をもとに売上高を継続

して計上している場合にはこれを認める、とする扱いがあります」

☆質問

「ということは、3月の20日とか25日の締め日までの売上を計上すれば

よいということですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「継続して計上する、というのはどうしてですか?」

★回答

「今年は締め後を計上して、来年は締め後を計上しない、というやり方で

は利益の操作ができるからでしょう」

☆質問

「今期から継続してこの扱いを適用すれば、今期だけ締め後の売上高

が少なくなって節税になりますよね?」

★回答

「仕入との関係もありますから、まるまる売上高だけ利益が少なくなる

というわけではありませんが、締め後の粗利分だけは利益が少なくな

るでしょう」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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