週刊税務調査日記

飲食店の調査(4)

第4号 2002/4/1

税務調査官が食事から帰り、午後から本格的な調査となりました。

■会計事務所

「飲み物を出してください」と納税者に耳打ちします。

お茶やコーヒーを交互になるべく回数多く出すように指示します。

調査官は非常にタバコを吸う方が多く、飲み物は欠かせないものです。

それと、お茶が出れば気分もリラックスして、つい世間話に話しが向かうものです。  

お茶を飲みながら税務調査とはまるっきり関係のない世間話で盛り上げて、

調査の時間を少なくするのも税理士の役目であると考えます・・・?

●税務署

「先月分のお店の売上伝票とレジで売上が打たれたレジペーパーを出してください」

▲納税者

「はい、分りました」と言って資料を調査官に渡しました。

「売上伝票」は飲食店で食事した時、お店の人が「親子丼一つ」とか書いた注文受付票です。

よく注文を取った後にテーブルの上に置いて行き、お客様が支払のときにレジに持って行く伝票です。

お店の人は、この売上伝票を見てレジを打ち、お客様からお金をもらうわけです。

ですから、売上伝票の記録とレジを打ったレジペーパーの記録とは一致するのがあたりまえです。

●税務署

売上伝票とレジペーパーを一件一件、照合する作業をはじめました。

レジの係りが売上伝票の内容を、代金の清算の都度レジに入力していれば、売上伝票とレジペーパーは打ち間違いがない限り一致します。

一致しないケースとしては、代金の清算の都度レジを打たないでお客様からお金をもらい、後でまとめてレジを売上伝票から打ち込むケースです。

「この売上伝票をレジにまとめて打ち込む時に、意図的に金額を少なく打ったりして、余ったお金をポケットに入れてしまう」といったことをすると、売上伝票とレジペーパーの記録は合いません。

税務署はまず、これをチェックしているのです。

■会計事務所

「どうか神様、合いますように」と頭の中でお祈りを捧げました。

 アーメン!

                          To be continued. 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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