週刊税務調査日記

もめた調査(3)

第19号 2002/7/15

個人事業者時代の売上か、法人成り後の法人の売上かでもめています。

調査官は、得意先に反面調査に行くと言い出しました。

▲納税者

「何ですぐに得意先のところに行くって言うんですか」

「そうされると、非常に困ると言っているんじゃないですか、わからない人だな」

●税務署

「それはそちらの問題です。私には、この調査の真実を確かめる責任があります。」

「ですから、得意先に行ってその真実を確かめる必要があるのです。」

■会計事務所

「何もわざわざ得意先のところに反面調査に行かなくても、会社にある資料で判断できるのではないでしょうか」

●税務署

「ですから、請求書の名義が個人ですから、これは個人の売上だと言っているのです」

「ところが先生は違うと言っている」

「そしたら真実を追究するために、得意先に行くしかないと思いますが」

■会計事務所

「何か話がかみ合いませんね」

「調査をするのは自由ですが 、納税者の商売の妨げになるようなことはやって欲しくないですね」

●税務署

「私だってしたくありませんが 、こう考えが違うのでは仕方ないですね」

■会計事務所

「仕方ないだと。このヤロー」と喉元まで出かかり、右腕を振り上げ机を叩きそうになりましたが、右腕を振り上げただけで止まりました。

納税者の方がびっくりした様子です。

ここ数日多忙で、少々疲れ気味であることがそうさせたのでしょうか。

しかし 、怒った方が負けです。ここは「冷静に冷静に」と自分に言い聞かせるとともに、もうこれ以上話し合ってもダメだなと感じました。

「分かりました。この請求書の件は、調査官のおっしゃるとおりで結構です」

「調査を進めてください」

●税務署

「分かりました 、では資料を見せてください」

と言って、調査は進みました。

その後、険悪な状況は解消され、調査官のペースで調査は進んでいきました。

そして、いくつかの問題点を指摘してこの日の調査は終了です。

「問題点を署に持ち帰って検討させていただきます」

■会計事務所

「分かりました。十分検討してください」

「ただ、納税者が困るようなことはしないで下さいね」

「得意先に行くとか」

と、最後にくぎをさしておきます。

調査官は帰りました。

私は心の中でつぶやきます。

「今回は納得の行くまでやってやる・・・」

              To be continued. 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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