週刊税務調査日記

別室に連れて行かれた調査(8)

第50号 2003/3/3

再調査で、1日7万円の出張手当が指摘されました。

確かに高すぎます。

しかし、納税者は・・・

▲納税者

「高いか安いかは分からない」

「前の会計事務所の担当者がこれで問題ないということだったので、出しているだけです」

●税務署

「そうなんですか。前の会計事務所の指導でそうされているのですか」

「先生は高すぎるとは思いませんか?」

■会計事務所

「ん~。・・・・」

心の中では「高すぎるよ~」と思っていますが、そのまま口に出すわけにはいきません。

●税務署

「わたしは、法外な手当だと思いますが、署に帰って統括に報告します」

と言って、再調査は終了し税務職員も帰っていきました。

■会計事務所

「社長、1日7万円の出張手当は高すぎると思いますよ。

それも、宿泊代とかは別に会社が負担するんですから、チョッと世間一般の常識からは外れていると思います」

▲納税者

「確かに、そう言われればそうなんですが。

 前の会計事務所で、問題ないといわれたもので・・・」

出張手当は、手当を出す会社の経費となるとともに、受取った個人に対しては原則として所得税及び住民税がかからない扱いとなっています。

ですから、節税には有効なのですが、やはり程度問題です。

これで再調査も終わり、あとは税務署からの連絡を待つだけです。

To be continued. 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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