週刊税務調査日記

国税局OB先生立会いの税務調査 (3)

第134号 2004/11/1

OB税理士と国税局の統括官との雑談でお昼となってしまいました。

●税務署

「もうお昼ですので、また午後からお願いいたします」

▲納税者

「わかりました。午後からも宜しくお願いいたします。」

調査官が退席した後に、OB先生と会社の経理の人と3人で食事をとるために外に出ました。

品のある天ぷら屋さんに入りました。

◆OB先生

「先生の事務所は記帳代行もやっているのですか?」

■会計事務所

「ええ、やっています」

◆OB先生

「私は簿記が分からないものだから、事務所員にやらせているのだけれども、あんな面倒くさいことやってられないね。本当に。」

「ひと月分の領収書や請求書をドサッと送り付けて、それを一つひとつ打ち込んで、それでもって毎月5万円の報酬だからね」

「とても割に合わないですよ」

■会計事務所

「まぁ、そうなんですけれど・・・ほとんどの会計事務所で記帳代行はやっていますけれども・・・・」

◆OB先生

「いやぁ。あんな面倒なこと先生、やってられないですよ」

「それに安いし・・・」

■会計事務所

「そうですか・・・」

◆OB先生

「記帳代行なんかやるより、会社の顧問として毎月お金を頂戴した方が楽ですよ、先生」

■会計事務所

「はぁ・・・」

確かに会社の顧問だけでお金をもらった方がビジネスとしては良いことは分かっているのですが、そんな話が何もしないで転がり込んでくることはありません。

OB先生には、転がり込んでくるのでしょうか?

▲納税者

「先生は、今回の調査に来ている国税局の統括官のことはよく知っているのですか?」

◆OB先生

「あ、彼?」

「うん。今の国税局の職員で私のことを知らない人はいませんよ」

「彼の上司はもと私の部下だったし、彼のことも知っていますよ」

すごいです。

「国税局でOB先生のことを知らない人はいない」と豪語しています。

国税局ではかなり上のポストで退官したのでしょう。

このOB先生は話し好きで、食事中もほぼOB先生の話を聞いているだけでした。

趣味のゴルフの話、それと商品取引をやっているらしく、大豆やトウモロコシの世界的な需給状況の話など、話題に事欠くことがありません。

かなり面白い先生です。

しかし、話を聞いているだけというのも、疲れます・・・

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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