週刊税務調査日記

呼び出された調査(1)

第160号 2005/5/30

税務署からお客様である司法書士事務所の税務調査をしたい旨の連絡がありました。

個人事業者である司法書士事務所に対する税務調査です。

個人事業者に対する税務調査は数は少ないですが、よくあることです。

調査当日です。

●税務署

「○○税務署の税多と申します。宜しくお願いいたします。」

▲納税者

「司法書士の△△です」

■会計事務所

「税理士の××です。宜しくお願いいたします。」

温厚そうな調査官です。

上席調査官ですから、一般の会社の係長クラスです。

上席ともなると、調査経験はかなりあるはずです。

侮れません。

雑談と、事務所の概況及び代表者の状況等を聴取して、いよいよ調査が本格的に始まります。

●税務署

「まず、総勘定元帳をお願いいたします」

▲納税者

「直前期の分だけでよろしいですか?」

●税務署

「取り敢えず、それで結構です」

調査官は元帳を1枚1枚めくりながら丹念に見ています。

見るからにまじめそうに仕事をしています。

ここで、チョッと話題を振って調査官の反応を見てみます。

■会計事務所

「昨日のサッカーの試合見られましたか?」

●税務署

「あぁ 日本対イギリスの試合ですね」

「見ましたよ。面白かったですよね」

■会計事務所

「そうですね」

「中田がやはりいいですよね」

●税務署

「そうですね。でも私は中村が好きですね。」

■会計事務所

「中村もいいですよね」 と、話に乗ってきます。

正直言って、こういう調査官だとありがたいです。

納税者も税務調査というだけで緊張している中、このような雑談を調査官とすると、その緊張も解けます。

どうせ調査を受けるなら、ピリピリした空気で受けるより、リラックスできるような雰囲気で受けたいものです。

そういう意味では、今回の調査官はなかなか感じのよい調査官です。

調査官によっては、いろんな話題を振っても帳簿から顔を上げもしないで調査に集中している方も居ます。

そうすると、調査の立会いも疲れます。

今回は、そうではなくリラックスした雰囲気で、雑談を交えながら調査は進みました。

                            To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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