週刊税務調査日記

困った調査官の調査 (1)

第202号 2006/3/27

確定申告が終わると税務調査の予定が連日入っています。

確定申告期間中はどこの会計事務所も税務調査の予定を入れたがらないからです。

確定申告でくたくたになった状態での税務調査の立会です。

今回の調査先はIT関連の会社です。

調査先の納税者の会社に朝10時に行きます。

するともう調査官が既に来ていました。

■会計事務所

「税理士の○○です」と名刺を差し出します。

●税務署

「はい、××税務署の税野です」と言って身分証明書を差し出します。

上席調査官です。

民間の会社で言うと係長クラスでしょうか。

50歳台の後半くらいのおじさんです。

お茶が出され、茶飲み話があるかと思いきや、

「会社の業務内容を教えてください」 と、もうエンジン全開です。

▲納税者

「レンタルサーバーのホスティングとホームページの製作とそのメンテです」

●税務署

「レンタルサバですか?」

「魚を貸し出すのですか?」

▲納税者

「・・・・・・・・」

「いや、鯖じゃなくてサーバー」

●税務署

「サーバー・・・・・・」

▲納税者

「・・・・・・」

●税務署

「サイババってのが昔いましたね・・・はぁはぁは~」

サイババってのが確かにいたことは私も記憶しています。

超能力者で、何でも病気を治してしまうという人で、昔かなり話題になりました。

しかし、この場でこの状況でサイババを出すとは・・・・。

納税者である社長さんは、「どうしたらいいんだよ?」ってな感じで、私に顔を向けて助けを求めています。

確定申告の疲れ以上の疲れが全身に襲ってきました。

レンタル鯖に、レンタルサイババ。

この調査は、すごいことになりそうです。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為