週刊税務調査日記

パブスナックの調査 (3)

第284号 2007/12/3

お客様からのチップをビンに入れて保管していると言ったら、それがどこにあるのかと、調査官が聞きました。

▲納税者

「ここです」

「厨房の棚です」

●税務署

「いくらくらい入っていますか?」

▲納税者

「いや 分からないです」

●税務署

「いくら入っているのか、数えてもらえますか?」

▲納税者

「どうぞ 自分で数えてみてください」

●税務署

「いいえ、私がお金を触るわけにはいかないのです」

▲納税者

「へ~ 何でですか?」

●税務署

「・・・・」

■会計事務所

「後で、お金が無くなったとか言う人がいるからではないですか・・・」

▲納税者

「なるほど」

「そういうことを言う人も確かにいるかもしれませんね」

●税務署

「すみません」

▲納税者

「分かりました、では数えます」

「1,600円です」

チップも原則としてお店の収入になります。

金額が大きければ指摘事項になります。

●税務署

「次にレジのお金も数えていただけますか?」

▲納税者

「了解です」

「36,000円です」

●税務署

「レジの後ろの棚の中を見させてもらっていいですか?」

▲納税者

「どうぞご自由に」

●税務署

「この帳面は何ですか?」

▲納税者

「あ~何だろう これは・・・」

「店長!この帳面は何?」

「店長がつけている毎日の店の売上帳ですって」

●税務署

「この帳面のコピーをいただいてよろしいですか?」

▲納税者

「どうぞ どうぞ」

調査官は、店長の売上記録と会計帳簿上の売上記録を照合するのでしょう。

税務調査では、売上について会計帳簿のほかに現場での管理的な記録があれば、必ず両者をチェックします。

売上の漏れがないかをチェックするのです。

税務署は、現場の記録の方が正しいと見ているものです。

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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