週刊税務調査日記

どうしても納得がいかない調査 (3)

第321号 2008/10/22

■会計事務所(所員)

「所長、税務署には何と言って回答しましょうか?」

□所長

「過大役員報酬などということはなくて、適正な額の役員報酬です、と言うしかないよね」

■会計事務所(所員)

「そうなんですけれど」

「税務署は適正額を算出しろ、と言っています」

□所長

「こんな滅茶苦茶な理屈に対してまともに答える必要ないよ」

「現在の役員報酬が適正額です、と回答すればいい」

所員が税務署に電話をします。

■会計事務所(所員)

「もしもし、お尋ねの件に関しましてお答えいたします」

●税務署

「はい、どうぞ」

■会計事務所(所員)

「現在の役員報酬は過大であるから、適正額を求めて税務署に提出しろということですが、所長とも相談した結果、現在の役員報酬が適正額であるということになりましたので、ご連絡差し上げました」

●税務署

「は~そうなんですか・・・」

「どういう理屈で適正だと判断したのですか?」

■会計事務所(所員)

「どういう理屈って言ったって、適正なものは適正だとしか言うことはできませんね」

「逆に言ったら、何で現在の役員報酬が適正でないと言うのですか?」

●税務署

「売上も少ないのに役員報酬が多額で、それで会社の決算が赤字になっていますからね・・・」

「どう見たって、過大でしょう?」

■会計事務所(所員)

「直前期は単に業績が不振で売上が下落しただけで、役員としての仕事は何も変わっていませんよ」

●税務署

「まぁ、こうして押し問答をしても仕方ありません」

「もし、現在の役員報酬が適正であると言うなら、一度税務調査にお伺いするしかありませんね」

■会計事務所(所員)

「税務調査?」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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