週刊税務調査日記

売上計上でもめた調査(1)

第403号 2014/5/23

海外から特殊な繊維を輸入している法人の調査です。

この会社は数人で運営しているこじんまりとした法人なのですが、ヨーロッパの会社から独占的に特殊繊維を日本に輸入して、日本のメーカーに卸しています。

取引金額も大きく、社長の個人的な信用で長年取引をしている会社です。

それゆえ、取引にかなり特殊性があり、調査でも毎回その点が問題になっているようです。

●税務署

「御社は繊維を輸入して日本のメーカーに販売していますが、商品は輸入元からメーカーに直送されるのですか?」

★納税者

「そうです」

●税務署

「商品代金の決済はどのようになっていますか?」

★納税者

「商品代金は、日本のメーカーから輸入元に直接支払われます」

●税務署

「ということは、御社は輸入元から手数料をもらう口銭商売ですか?」

★納税者

「そのとおりです」

「取引金額の10%を輸入元から手数料としてもらっています」

●税務署

「なるほど」

「御社の売上計上のタイミングは、商品がメーカーに納品された時点ですか?」

★納税者

「いや違います」

「輸入元から口銭が支払われた時に売上を計上しています」

●税務署

「そうですか・・・入金基準ですか・・・」

                                      つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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