週刊税務調査日記

母国への送金 (2)

第444号 2018/10/10

 日本で仕入をして、タイに輸出をしている法人の調査です。

 調査官は、元帳を見ています。

●税務署

「外注費として大きな金額の取引がありますね」

「海外の個人の方への支払のようですが、請求書と送金に関する資料を見せてください」

★納税者

「はい、分かりました」

「これです」

●税務署

「タイに在住のアリーさんという方に送金しているのですね?」

★納税者

「そうです」

●税務署

「請求書には、現地業務一式というような内容だけしか記載されていませんね」

「社長もタイ出身でしたよね」

「アリーさんとはどのような関係ですか?」

★納税者

「私の妹です・・・・」

●税務署

「え 社長の妹?」

「妹さんに外注費を支払ったということですか?」

★納税者

「はい」

●税務署

「タイで外注先としてどのようなことをしてもらっているのですか?」

★納税者

「現地での営業です」

●税務署

「タイでの営業?」

「妹さんはどのように営業をされているのですか?」

★納税者

「タイで開催される機械部品の展示会に行ってもらうなど、現地での情報収集を主にやってもらっています」

●税務署

「妹さんからタイでの営業に関する定期的な報告などはあるのですか?」

★納税者j

「電話で報告を受けています」

●税務署

「報告書といった書類ではないのですか?」

★納税者

「書類ではないですね」

「電話だけです」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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