週刊税務調査日記

母国への送金 (4)

第446号 2019/2/19

臨場調査から1週間後に再度税務調査官が来ました。

●税務署

「タイで妹さんが仕事をしていることを説明できる資料はそろいましたか?」

★納税者

「ん~ ほとんどが電話での連絡なので記録があまりないのですよ」

●税務署

「なるほど、では準備されたものをお見せください」

★納税者

「はい、これです」

●税務署

「この写真は何ですか?」

★納税者

「写真に写っているのが妹で、これはタイで行われた機械の展示会での写真です」

●税務署

「ほ~ 機械の展示会ですか」

「妹さんが展示会を視察に行ったということですか?」

★納税者

「まぁ そういうことになります」

●税務署

「この書類は何ですか?」

★納税者

「タイの妹からの報告書です」

●税務署

「タイ語の文字ですか?」

「なんて書いてあるのかわからないですね」

★納税者

「そうです、タイ語です」

●税務署

「どのような内容の報告書なのですか?」

★納税者

「機械部品市場におけるタイの現状を報告しています」

●税務署

「ん~ 資料はこれだけですか?」

★納税者

「取り敢えず、タイから取り寄せたのはこれだけです」

●税務署

「分かりました、これらの資料を署に持ち帰って検討します」

それから2週間後くらいに税務署から連絡があり、納税者と共に税務署に呼ばれました。

タイの妹さんに支払っている報酬が高額すぎることと、タイでの勤務実態が乏しいとの指摘を受けました。

安易な海外送金は税務トラブルのもとになりますので注意が必要です。

終わり

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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