週刊なるほど!消費税

納税義務(4)

第85号 2004/07/26

【先生】

 東京は暑い日が続きます。30度で「昨日より涼しいですね」なんて会話

が成立してしまいます。

【生徒】

 冷房は世紀の大発明。人類の至宝です。エアコン万歳。

【先生】

 かけすぎはよくないんですけどね。どうしても頼ってしまいます。

 さて今回は基準期間の課税売上高の月割計算のお話です。

【生徒】

 月割?

【先生】

 そうです。

 基準期間は個人事業者であれば前々年、法人であれば前々事業年度

というのはいいですね?

 個人事業者は暦年ですので、前々年は1/1から12/31までの1年間です。

 ですが法人の場合、前々事業年度が設立事業年度であった場合や、

事業年度を変更したような場合、基準期間が1年未満である場合が生じます。

 例えば10/1に設立した3月決算の法人ですと、設立事業年度は10/1から

翌年3/31までの6ヶ月となります。

 もちろん4/1に設立する法人もありますので、そういう法人は設立事業年度

でも12ヶ月となります。

 そうすると、6ヶ月であげた売上と12ヶ月であげた売上で判断するとなれば

短いほうが売上高が少なくなり、基準期間の課税売上高も少なく押さえられる

ことになります。

【生徒】

 不公平ですね。

【先生】

 そのため、基準期間である事業年度が1年未満の場合、課税売上高を1年

分に割り戻す計算をしなければならないのです。

【生徒】

 ちょっと待って下さい。法人だけですか?個人事業者でも事業を始めたのが

年の途中からだったら、売上を1年分に調整するんじゃないんですか?

【先生】

 先ほども言ったように、個人事業者の基準期間は暦年ですので必ず1年です。

たとえ事業自体を年の途中から始めたとしても、1年に調整するといったことは

しません。

 7/1から事業を始めて12/31までの課税売上が600万円あったとしても、半年

だから2倍にするということはせず、600万円が基準期間の課税売上高という

ことになります。

【生徒】

 それも微妙に不公平な気が・・・

【先生】

 ですので1年分に調整するのは法人だけです。

 10/1に設立した3月決算の法人の課税売上が600万円であれば、6ヶ月での

課税売上が600万円ですのでまず600万円を6ヶ月で割り、それを1年分にする

ため12ヶ月を掛けた1,200万円が、基準期間の課税売上高となります。

【生徒】

 設立日が10/2だったらどうなるんですか?

【先生】

 1月に満たない端数は、1月に切り上げます。ですから10/31設立の3月決算

法人でも、6ヶ月ということになります。

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