週刊なるほど!消費税

譲渡等・仕入等の時期(6)
長期割賦販売等

第112号 2005/02/21

【先生】

 東京三菱銀行とUFJ銀行が統合してできる新しい銀行の名前が正式に

「三菱東京UFJ銀行」となるようです。

【生徒】

 「南セントレア市」もセンスの無さ大爆発でしたけど、こちらも負けてない

ですね~

【先生】

 まず利用者のことを何も考えていないというのが一目瞭然です。

【生徒】

 どことどこが合併したかがすぐわかるから、逆に親切なのかも・・・

そしたら東京三菱三和東海銀行にしないといけないかな。

【先生】

 さて今回は、長期割賦販売等にかかる資産の譲渡等の時期の特例に

ついて見ていきます。

【生徒】

 長期割賦販売等?

【先生】

 イメージでいうといわゆる分割払いのことです。

【生徒】

 毎月末に通帳の中身が切なくてたまらなくなるという分割払いですね。

【先生】

 正確にはすべての分割払いが当てはまると言うわけではなく、所得税法

にいう延払条件付販売等、法人税法にいう長期割賦販売等をさします。

 延払条件付販売等、長期割賦販売等と名称は違いますが、要件は同じ

です。

・月賦、年賦その他の賦払いの方法により3回以上に分割して対価の支払

 を受けること

・目的物の引渡し、役務の提供等の期日の翌日から最後の賦払金の支払

 期日までの期間が2年以上であること

 「3回以上」には頭金はカウントしません。また賦払期日は概ね規則的に

到来し、支払金額も当初契約で具体的に確定していることを要しますが、

賦払金額は必ずしも均等、逓増・逓減するものである必要はありません。

【生徒】

 それなら、例えば支払回数は10回だけど期間が1年とか、期間は3年だ

けど支払回数は2回とかいう場合には当てはまらないってことですね。

【先生】

 そうです。

 そして、これらに規定する延払基準の方法により経理することとした場合

には、消費税においても延払基準を採用できるとされています。

【生徒】

 できる、ということは採用しなくてもいいんですか?

【先生】

 はい。事業者の任意に委ねられています。

 この特例は長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等を行い、かつ、

延払基準の方法により経理することとした場合には、消費税においても

それに準じることができるというもので、採用するかどうかは事業者が

決めます。

【生徒】

 そもそも延払基準ってどんなものですか?

【先生】

 それを今から説明しましょう。

 長期割賦販売は予め商品を引き渡したけれども、その代金の回収が

分割でしかも長期にわたるものです。

 そのため通常の販売に比べて貸倒れ、つまり代金が回収不能になる

危険性が高いことになります。

 そこで商品等引渡し時の計上を原則としながらも、代金回収の都度

(支払期日到来の都度)、その部分について資産の譲渡等があったも

のとみなして経理処理する方法が認められています。

 つまり代金回収にあわせて売上げも分割計上するということです。

【生徒】

 それじゃ分割払いの期間が5年なら、売上げの計上も5年に分けて

計上していいってことですか?

【先生】

 そうです。次回からはもう少し具体的に見ていきましょう。

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