週刊なるほど!消費税

消費税還付スキーム封じ込め改正
自動販売機スキーム (2)

第333号 2010/9/7

★【先生】

「調整対象固定資産に関する課税仕入にかかる消費税額の調整」とは、

消費税の課税売上割合が著しく変動した時の調整計算です。

☆【生徒】

課税売上割合が著しく変動すると、なぜ調整計算が必要になるのです

か?

★【先生】

建物などの固定資産を取得した場合、その建物価額に含まれている消

費税を「支払った消費税」として計算しますが、この計算は建物取得時

の課税売上割合により計算します。

☆【生徒】

確かに、建物価額に含まれる消費税は、取得した課税期間の課税売上

割合が95%以上であれば、全額「支払った消費税」として計算されます。

★【先生】

そうですね。

でも建物は長期にわたって使用されるものですから、取得後の課税期

間で課税売上割合が大きく変動した場合には、その変動分も考慮して

建物に含まれる「支払った消費税」の計算をやり直す必要があるのです。

☆【生徒】

ほ~

自動販売機スキームも、建物の完成に合わせて自動販売機を設置して、

課税売上割合を建物完成時に95%以上にして消費税を還付するとい

うものでしたが、その後の課税期間では非課税売上であるアパートの

家賃が計上されて課税売上割合が激変します。

この調整計算の対象にならなかったのですか?

★【先生】

ならないようにしていたのです。

☆【生徒】

意図的に?

★【先生】

そうです。

☆【生徒】

どのような方法で回避していたのですか?

★【先生】

次週、説明します。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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