週刊なるほど!消費税

平成23年税制改正
95%ルールの不適用

第343号 2011/7/29

☆【生徒】

6月末に消費税の改正法案が成立したと聞きました。

第339号のメルマガで解説のあった「仕入税額控除」の改正も国会で成立し

たのですか?

★【先生】

成立しました。

☆【生徒】

いつから適用されるのですか?

★【先生】

平成24年4月1日以後開始する課税期間からです。

☆【生徒】

課税売上割合が95%以上であれば、「支払った消費税」を「預った消費税」

から全額控除することができたのが、課税売上割合が100%でない限り、全

額控除できなくなるのですね?

★【先生】

そうです。

その課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は、上記のいわゆる95%

ルールが適用されません。

課税売上高が5億円以下であれば、95%ルールは今までどおり適用されま

す。

☆【生徒】

95%ルールが適用されないと、「支払った消費税」はどのように「預った消費

税」から引くのですか?

★【先生】

個別対応方式か一括比例配分方式で計算することになります。

☆【生徒】

何か、難しそうな方式で計算しなければならないのですね。

でも、私の会社では売上高は確かに5億円は超えますが、すべての売上高は

消費税のかかる売上高ですので、課税売上割合は100%になりますから、改正

法による影響はありません。

★【先生】

売上高がすべて課税売上でも、土地の売却とか借上げ社宅の受取家賃などが

あると、これらは非課税売上ですので課税売上割合は100%未満となります。

☆【生徒】

大丈夫です。

そのような取引はありません。

★【先生】

銀行からの預金利息はありますよね?

☆【生徒】

ありますよ。

★【先生】

預金利息は、非課税売上になります。

☆【生徒】

確かに・・・

★【先生】

ですから、ほとんどの会社の課税売上高は100%未満となるのです。

☆【生徒】

なるほど。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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