週刊節税教室

住宅ローンの繰上返済

所得税
第73号 2003/3/3

☆質問

『この低金利下では、銀行に預金していても仕方がないので、住宅ローンを繰上

返済しようと思いますが、どうでしょうか?』

★回答

銀行に預金をして1%未満の預金利息をもらうより、3%程度の住宅ローン利息の

負担を少なくする方が、有利であることに間違いありません。

資金に余裕がある場合には、繰上返済すると良いと思います。

☆質問

『私は、現在住宅ローン控除を受けているのですが、繰上返済してもそのまま受け

られますよね?』

★回答

繰上返済をしたからといって、直ちに住宅ローン控除を受けられなくなるといったこ

とはありません。

しかし、繰上返済により住宅ローン控除を受けられなくなることもあります。

☆質問

『それは、どのような場合ですか?』

★回答

住宅ローン控除を受ける要件として、借入金の返済期間が契約において10年以

上であることが必要となります。

当初の借り入れ契約では返済期間が15年であったものが、繰上返済により当初

契約日から最終返済日までの期間が10年未満となるような場合には、以後の住

宅ローン控除が受けられなくなります。

☆質問

『なるほど、返済期間には注意しなくてはならないですね。』

★回答

繰上返済をすることにより、住宅ローン控除を受けられなくなっては大変です。

もし、そのような可能性のある場合には、返済期間をそのままにして、返済金額を

減らすような契約の繰上返済をするのもひとつの方法です。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為