週刊税務調査日記

美容室の調査 (2)

第213号 2006/6/19

予告もなしに美容室に税務調査が入りました。

現金商売という理由で、予告なしですが、納税者の方は皆突然のことで驚いてしまいます。

その日は、レジの現金の確認と前日の売上の確認だけで、調査官は店を後にしました。

約2週間後に仕切り直しの税務調査です。

朝の9時に美容室に行きます。

ビルの3階の美容室に行くためにエレベーターに乗るのですが、エレベーターの入口に調査官らしき若い男性が既に立っています。

その前を通ってエレベーターで3階に上がって美容室に入ります。

社長は既に来ていて、少し不安そうです。

■会計事務所

「奥様がしっかりした経理をやっていますから平気ですよ!」

「何も問題はないと思います」

▲納税者

「そうですか。そうだといいんですが・・・」

しばらくして調査官のお出ましです。

やはり、先ほどエレベーターホールにいた若い男性です。

■会計事務所

「宜しくお願いいたします」

●税務署

「こちらこそお願いします」

「さっそくですが、開店までおよそ2時間しかございませんので、調査を始めさせてもらいます」

「ではまず、仕事の受注から業務の流れを教えてもらえますか?」

▲納税者

「まず電話での予約が入りましたら、このノートに予約の情報を書き込みます」

●税務署

「なるほど。飛び込みのお客様はいませんか?」

▲納税者

「たまにいます」

●税務署

「そのときは、どのようにするのですか?」

▲納税者

「やはり、このノートに記入します」

●税務署

「なるほど」

「では、そのノートには来店されたお客様すべてが記載されているということでよろしいですか?」

▲納税者

「そういうことになります」

●税務署

「なるほど」

「お客様ごとのカルテはありますか?」

▲納税者

「あります」

●税務署

「それを見せていただけますか?」

▲納税者

「はい、これです」

●税務署

「レジは誰が打つのですか?」

▲納税者

「皆で打ちます」

●税務署

「その日の売上は日報みたいなものがあるのですか?」

▲納税者

「ええ」

「社員の誰がいくら売り上げたかという記録があります」

●税務署

「それは保管してありますか?」

●税務署

「ええ すべて保管してありますよ」

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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