週刊税務調査日記

美容室の調査 (3)

第214号 2006/6/26

●税務署

「レジの記録紙はとってありますか?」

▲納税者

「ええ、全部丸めてこのように保管しています」

●税務署

「従業員名簿はありますか?」

▲納税者

「ええ、これです」

●税務署

「賃金台帳は?」

▲納税者

「それは自宅にあります」

●税務署

「分かりました」

「そろそろお店の開店の時間になりますので、場所を社長の自宅に変えて作業をすすめたいのですが、この点は了解されていますよね?」

▲納税者

「ええ、自宅には妻がおりますから」

●税務署

「経理は奥様がやられているのですものね?」

▲納税者

「そうです」

●税務署

「では、前期1年分の予約ノート、お客様のカルテ、売上日報、レジシートを準備していただいて、ご自宅に移動します」

「それと従業員名簿もお願いします」

▲納税者

「はい分かりました」

納税者は言われたとおり1年分の資料を紙袋に詰め込み、これを調査官に渡して、お店での調査はひとまずおしまいです。

調査官と一緒に社長の自宅に向かいます。

「ピンポ~ン」

▲納税者

「はい、お待ち下さい」

「どうぞ、お入り下さい」

自宅は、マンションの5階ですが、新築でかなり広い感じです。

●税務署

「本日は、宜しくお願いします」

■会計事務所

「記帳はチャンとやってますから、何も心配はないと思いますよ」

▲納税者

「はい、そうだとよいのですが・・・」

●税務署

「さっそくですが、総勘定元帳を準備してもらえますか?」

▲納税者

「はい、どうぞ」

さっそく1人の調査官はレジシートと総勘定元帳の売上高をチェックしています。

レジで打った金額が、すべて決算書で売上高として計上されているかどうかのチェックです。

そして、もう1人は予約ノートとカルテと日報を見比べています。

予約した人の記録がカルテに載っていて、そして日報にも載っているかどうかを確認しているのです。

これも、売上計上の網羅性の確認です。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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