所長のミニコラム ~ Monthly column ~

12月のミニコラム

国家資格者の倫理観

建物の構造計算書の偽造問題で、世の中大変なことになっています。チョッと強い地震が来たらマンションが崩壊するとなれば、それは大騒ぎです。渦中の人物は一級建築士という国家資格を持っています。私も公認会計士、税理士、行政書士の3つの国家資格を持っています。国家資格を取得するにはそれなりの難しい試験に合格することが必要で、その難関をクリアしたことからこそ、その資格者に対する社会的信用が生まれます。

しかし、この社会的信用も資格者の倫理観いかんで他人を傷つける武器になることを資格者は肝に銘じなければなりません。公認会計士によるカネボウの事件、新聞に時々出る税理士の脱税幇助事件、弁護士の預託金の横領事件、そして今回の一級建築士による構造計算書の偽造事件。みんな国家資格者の社会的信用を乱用したとんでもない事件です。

国の責任や社会制度の不備を問う声もありますが、やはり国家資格者が自らの社会的責任を自覚して、一般人以上の倫理観を持つことが必要であると思います。

2005.12.01 公認会計士・税理士 井上 修
11月のミニコラム

イイダコ釣り

三浦半島の三浦海岸の先に金田湾というところがあります。そこには釣りの浜浦という釣り船屋さんがあり、子供が小さい時にはよく利用してキスやメゴチなどを釣りました。秋になるとイイダコがよく釣れた場所です。しかし、10年くらい前からパタリとイイダコが釣れなくなってしまいました。釣れても数匹といった状況でした。そんな状況が続いていたのですが、今年はイイダコが「湧いている」ということで早速10月22日の土曜日に行ってきました。

早朝4時半に起きて出発したのですが、途中で財布と携帯電話を忘れたのに気付いて家に戻り、そして環八から何故か東名高速に向かって運転。直前に気付いてあわてて方向転換。頭がボ~としていたのでしょう。環八から第三京浜、横横と乗り継いで金田湾へ。天気予報が嘘をつき朝から雨が降り始める。しかし、最初の2時間くらいでかなり釣れ、3時間で18杯。家に1時頃到着し、そのまま事務所へゴー。メルマガ2本を書いて帰宅。

ビニール袋にタコと塩を入れてタコのぬめりをとって、そしてタコの頭をひっくり返して脳みそを摘出。チョッと水洗いして熱湯に30秒。小さく切ってわさび醤油で酒の肴。たまりません・・・下記URLで私の写真が載っています。

http://www.hamaura.jp/Landfish2004/rowboat/photoindex1.html

2005.11.01 公認会計士・税理士 井上 修
10月のミニコラム

いろんな会計事務所があります

会計事務所を変更して、当事務所に来られる方がかなりいらっしゃいます。会計事務所を変えるには、それなりの理由があることになります。「どういう理由で前の会計事務所をやめたのですか?」と聞いたときの、お客様の答えを紹介します。

  • 顧問料が高いから
  • 税理士が3ヶ月の業務停止処分を受けたので変えざるを得なかった
  • 会社の経理担当の女性に対する税理士の態度がひどかったから
  • いつも申告期限のぎりぎりになってから申告書の押印を迫られ、納税もぎりぎりになってしまうから
  • 工場を新築する場合の消費税の扱いについて質問したところ「よく分からない」と言われ、呆れ返ったから
  • 記帳代行会社に頼んでいたのだが、税金の質問に対して明確な回答がなかったから
  • 税理士が脱税指南で逮捕されたから

以上紹介した理由は全て私の耳で聞いたことですので真実です。世の中にはいろいろな会計事務所があります。 選ぶのも大変だと思います。

2005.10.01 公認会計士・税理士 井上 修
9月のミニコラム

著作権侵害

ホームページの管理をお願いしている会社の担当の方から「著作権を侵害しているひどいホームページがある」と連絡を頂きました。早速そのホームページを見てみると、私が書いたメルマガの文章を、そのままあたかも自分が書いたように「投稿者○○」としてホームページに載せていました。顧問弁護士に相談すると「これはかなり悪質な著作権侵害だ」とのことでした。顧問弁護士のアドバイスにしたがい、内容証明郵便を直ちに送りました。どういう反応をするのかと思っていましたが、本人もよほどびっくりしたようで、こちらの要求したことをすばやく対応しました。

「見つからなければ何をやってもいい」とでも考えていたのでしょうか。これで私どものホームページのコンテンツをコピーしていたのを発見したのは3件目です。1件目は、道玄坂の同業の従業員が30人くらいいる会計事務所でした。指摘したら削除して電話で謝っただけでした。チョッと呆れ果てました。2件目は、専門誌に文書を書いている関西の女性税理士でした。こちらも呆れ果てるような対応でしたので、あまりのバカらしさにまともに対応する気にもなりませんでした。そして、今回の関西にある行政書士・社会保険労務士事務所です。

著作権を侵害した情報をホームページに載せるということは、それを見ているお客様を騙しているということです。信頼を勝ち取る商売であるはずですが、お客様を欺くようなことを平気でやれるのであれば、職業を変えた方がよろしいかと思います。

2005.09.01 公認会計士・税理士 井上 修
8月のミニコラム

カネボウの粉飾決算

ここのところ毎日カネボウの粉飾決算事件が報道されています。代表者は、自らの経営責任が問われることを回避するために粉飾を繰り返していたようです。過去5年間で約2,156億円もの粉飾決算を行い、粉飾決算をしなければ9期連続の債務超過であったということです。粉飾決算を信じてカネボウの株を購入した投資家や、カネボウに融資した金融機関はたまったものではありません。

本来、このような粉飾決算を防ぐ役割を担っているのが公認会計士です。公認会計士は会社の決算を監査して、この決算が適正であると監査報告書に「適正意見 」を付けます。一部の事項を除いて適正な決算には「限定付適正意見」を付けます。「この決算書はまるっきりダメ」という場合は「不適正意見」となります。実際は「不適正」な決算書でも「不適正意見」を付けることはしないで、監査意見を保留する「意見差控え」を監査報告書に付けるようです。

カネボウの担当会計士も検察に事情聴取されたようですが、このような粉飾決算に堂々と「適正意見」を出し続けたのですから当然と言えば当然ですね・・・

2005.08.01 公認会計士・税理士 井上 修
7月のミニコラム

塀の中の障害者

元衆議院議員の山本譲司さんが書いた獄窓紀という本を読んでいます。山本さんは公設秘書給与を詐取したことで刑に服しました。刑務所では寮内工場といって、体や心に病を持った受刑者が集められている施設の世話をする係りになりました。その作業は壮絶で、自分で下の処理もできない受刑者の面倒を見る糞尿にまみれた作業です。この寮内工場のことを著者も「塀の中の掃き溜め」と表現しています。

刑務所内にこのような部署があることを知って驚きましたが、障害者である受刑者が、「自由はなくても自分の面倒を見てくれる人がいて、誕生会やクリスマス会といった楽しみがあるから、これまでの人生の中で、刑務所が一番暮らしやすかった」という件を目にして、更にショックを受けました。

障害者の方達がもっと暮らしやすい世の中を我々は作っていかなくてはいけませんよね。シャバよりムショの方が暮らしやすいなんて、シャレにもなりませんから・・・

2005.07.01 公認会計士・税理士 井上 修
6月のミニコラム

健康が第一

昨年11月に東京ドームを借り切って野球の試合をしました。実際にマウンドに立つと、ホームベースまでの距離の長いこと・・・。また外野のフェンス際からホームベースまでのとてつもない距離に、イチローのレーザービームの凄さに感心しました。私は、1イニングを完封して、とても満足な東京ドームでした。

そして、今回お客様とサッカーの試合をやることになり、東京ドームの野球に参加した小学校同級生の友人に「サッカーやるけど、参加しない」と声をかけました。しかし、返ってきた言葉は「心筋梗塞で入院して、退院したばかりなんだ」とか細い声です。確かに以前会ったときに、その友人の顔がどす黒くて「どこかおかしいんではないか?」と言ったことを思い出しました。私と同年ですから今年で48歳です。

友人いわく「ほとんど運動もせず、脂っこいものが大好きで食べ、水分もあまり取らず、マージャン、パチンコ、パソコンゲームが趣味で、血圧・コレステロール・尿酸値が高かったということです。そして、更に職場が変わり、かなりのストレスがあったと言います。

同級生がこのような病にかかり、私も大変ショックでしたが、やはり日々の運動と食生活と仕事でストレスを溜めないことが何よりも大切であることを再認識しました。やはり健康第一です。サッカーは小学校以来だけど平気かな・・・。

2005.06.01 公認会計士・税理士 井上 修
5月のミニコラム

病を押して

私は格闘技が好きで、試合があればテレビ観戦ですがよく見ています。5月の12日には、ボクサーの坂本博之の再起戦があり、これは後楽園ホールに見に行きます。

格闘技には怪我が付き物ですが、再起できないほどの怪我をしてしまうときもあります。プロレスラーのハヤブサはリング上で頭を強打して頚椎損傷で、一時は全身が麻痺してしまいました。懸命なリハビリの結果、いまは立てるようになっています。

タイガージェットシンとともに、悪役レスラーとして名を馳せた上田馬之助は、交通事故でやはり頚椎を損傷して胸から下が麻痺してしまいました。私が、とても好きなレスラーだったのですが、不運と言うほかありません。

先日、私どものお客様で数年前に脊椎の病気になって、やはり胸から下が麻痺してしまった女性の社長さんに数年ぶりにお会いしました。医者からは、「もうあなたは歩くことはできない。寝たきりになります」と言われたそうです。しかし、久しぶりにお会いして、なんとその社長は杖を突きながら歩いていました。

そこまでになるのには、人には言えない壮絶な努力があったことでしょう。「先生、病気して、今まで気が付かなかったいろいろな発見がありました」と言っていました。そして、言葉だけではなく、養護施設の子供たちのために今行動しています。

5月5日にイベントがあります。インターネットでライブ中継をしますので、皆さんもぜひご覧になってください。

「夢のかけ橋プロジェクト」http://www.yumenokakehashi.net/

2005.05.01 公認会計士・税理士 井上 修
4月のミニコラム

税理士に任せっきりでした・・・

漫才師の納税者が税務調査で多額の申告漏れを指摘されたと新聞に出ていました。領収書を受け取っていない経費を2,000万円計上し、仕事とは関係のない旅行費用や、衣服、宝飾品などを5,200万円も事業経費として計上していたとのことです。

もう、手元にある領収書なら何でもかんでも経費にしていた感じです。さらに、領収書のないものまでも経費としていたのですから驚きです。

そして、脱税した芸能人の決まり文句です。「税理士に任せきりにして、内容を把握する努力を怠ってました・・・」。

これでは、税理士が勝手に漫才師の使った領収書を経費として処理し、さらに領収書のない架空の経費を自らでっち上げて事業経費として計上していたことになります。こんなことを日本全国津々浦々まで知れ渡る報道を通じて公言することが許されるのでしょうか?

芸人特有のシャレで言ったならともかく、こんなことを言われては日々納税者のため、社会のために地道に努力している税理士がかわいそうです。

幼少の時に、「自分の間違いは、人のせいにしてはダメですよ!」って教えてもらえなかったのですかね。

しかし、この漫才師の顧問税理士もすごいですね。こんな状況でサインして申告するのですから・・・あきれ果てます。

2005.04.01 公認会計士・税理士 井上 修
3月のミニコラム

NHKはかわいそう 

NHKの制作費詐取事件で、受信料の支払を拒否する視聴者が続出していると報道されています。タダでNHKを毎日見ている人がいると思うと、なんだか払っているのが馬鹿らしくなります。

一方、社会保険庁では国民の保険料で不必要なものを購入したり、監修料という名目で国民の保険料を自分のポケットに公然と入れたり、随意契約で多額のバックリベートを手にしていました。警察では国民の税金を裏金にして好き勝手に使っています。大阪市では国民の税金を闇退職金の支給やスーツの購入にあてています。

 しかし、たいしたお咎めもなくこの話題も時間とともに消えてなくなりそうです。NHKみたいに受信料の支払を拒否するようなことはできません。社会保険料の支払を拒否すれば自分がもらう年金が減り、税金の納税を拒否すれば14.6%のサラ金並みの延滞金が積み上がり、挙句の果ては差し押さえを食らってしまいます。

だからNHKはかわいそうです。やはり親方日の丸が最高ですね!

2005.03.01 公認会計士・税理士 井上 修
2月のミニコラム

著作権侵害

正月早々にホームページを管理していただいているお客様から、「ホームページへのアクセスログからとんでもないホームページを発見しました」との連絡がありました。そのホームページは、当事務所のホームページ中のコンテンツをそのまま堂々と掲載していました。それもかなりの数のコンテンツを当事務所のURLを出典という意味で付けているのでしょうが、まるっきりこちらの許可なしに掲載してありました。

そのホームページの作成者は同じ税理士で、税金の専門誌にも寄稿している関西の女性です。「著作権を侵害していますよ!」と警告したところ「すみません。すぐに削除します。しかし、あまりの件数に今日中にすべて削除することはできません」との回答。翌日、すべて削除したとの連絡があり、そのホームページを確認したところ、依然として他の事務所のホームページのコンテンツをそのまま掲載してありました。

著作権とは何かということを何も理解していません。同じものを書く同業者として、開いた口がふさがりません。更に、「謝罪文をホームページ上に掲載してください」とお願いしたところ、1日だけ2行程度の文章を掲載して、翌日には削除されていました。転載した他人の文章を削除するより早く謝罪文を削除するすばやさには呆れ果てて、もうこれ以上関わるのも時間の無駄と思いました。

コピー&ペーストでデジタル文書をいくらでもコピーできる時代ですが、人並みの常識と良心のかけらでも持ち備えてもらいたいものです。

2005.02.01 公認会計士・税理士 井上 修
1月のミニコラム

児童養護施設

児童養護施設って、皆さんご存知ですか?親が死んでしまったり、親に虐待されている児童のための施設です。私の好きなボクサーの坂本博之が少年期を過ごしたのも児童養護施設です。この児童養護施設は原則として18歳未満の児童を養護する目的であるため、なんと18歳になると原則として施設を出て行かなくてはならないようです。18歳といえば高校卒業の年です。「高校をめでたく卒業したら、自分の住むところもない」ということが現実に起こり得るわけです。このようなことに疑問を感じて自ら行動を起こした人達もいます(夢のかけ橋プロジェクトhttp://www.yumenokakehashi.net/)。なんか物悲しくなってしまう現実ですが、私たちも何かをしなくてはこの現実を変えられないことだけは明白です。

2005.01.01 公認会計士・税理士 井上 修